ITパスポート試験ストラテジ系の過去問類似問題
公開されているITパスポート試験の過去問からストラテジ系の類似問題を作成しました。
【問題-1】損益計算書についての説明で正しいものを選べ。
- (ア)売上から販売費および一般管理費を引いたものが売上総利益となる
- (イ)売上総利益から売上原価を引いたものが営業利益となる
- (ウ)営業利益から法人税及び住民税など引当金をを引いたものが経常利益となる
- (エ)経常利益に特別利益を足して特別損失を引いたものが税引前当期利益となる
【問題-2】著作権に関する説明で正しいものを選べ。
- (ア)著作権は権利発生のための申請や登録の手続きが必要ない
- (イ)プログラムに組み込まれたアイデアも著作権法の保護対象となる
- (ウ)オープンソースは著作権が放棄されているので誰でも自由に使用できる
- (エ)社員教育用として必要限度内で行われた複製は著作権侵害とならない
【問題-3】業務の機能とデータの流れに着目して業務プロセスをモデル化する手法として正しいものは?
- (ア)DFD
- (イ)E-R図
- (ウ)データマイニング
- (エ)DBMS
ストラテジ系過去問類似問題の解答
【正解-1】損益計算書についての説明で正しいものを選べ。
(エ)経常利益に特別利益を足して特別損失を引いたものが税引前当期利益となる
- 本業以外の収支(株などでの収支)も含んだものが経常利益
- 営業利益に、営業外収益を足して、営業外費用を引いたものが経常利益となる
- 企業の総合的な指標として用いられることが多い
【正解-2】著作権に関する説明で正しいものを選べ
(ア)著作権は権利発生のための申請や登録の手続きが必要ない
- 著作権は著作物を作成した時点で権利が自動的に発生することが特徴
- 特許権、意匠権、実用新案権などは権利の登録が必要
他の選択肢の間違い
- (イ)プログラムに組み込まれたアイデアも著作権法の保護対象となる
- →著作権の対象となるのはプログラムソースだけ。アイデアは含まれない。
- (ウ)オープンソースは著作権が放棄されているので誰でも自由に使用できる
- →オープンソースは著作権が放棄されているわけではない
- (エ)社員教育用として必要限度内で行われた複製は著作権侵害とならない
- →著作権侵害とならないのは「学校での授業用教材として」の複製の場合
【正解-3】業務の機能とデータの流れに着目して業務プロセスをモデル化する手法として正しいものは?
(ア)DFD
- DFD(データフローダイアグラム)はデータの流れに着目して業務プロセスをモデル化する
- E-R図は、データや人など実体(Entity)とその間の関係(Relationship)に着目して業務プロセスをモデル化する手法
- DFD、E-R図ともITパスポート試験でよく出る業務モデリング手法
- データマイニングは大量のデータの中から法則性を見つける手法、DBMSはデータベース管理システムのことでモデリング手法とは関係ない
試験対策:ストラテジ系の重要ポイント
ITパスポート試験のストラテジ系では財務諸表関連の問題も出題されます。プログラマなど技術職の人にとっては馴染みがなく難しく感じるかもしれませんが、合格には一通り覚えておく必要があります。損益計算書についてまとめましたので参考にしてください。
損益計算書について
- 一定期間の企業の成績(収益、費用)をあらわすもの
- P/L(Profit and Loss Statement)と呼ばれる
- 株主などに経営成績を明らかにするために作成される
- 財務諸表のひとつ
- 損益計算書の項目は規則で決められている
損益計算書の項目
売上高 |
---|
売上原価 |
売上総利益(売上高−売上原価) |
販売費及び一般管理費 |
営業利益(売上総利益−販売費及び一般管理費) |
営業外収益 |
営業外費用 |
経常利益(営業利益+営業外収益−営業外費用) |
特別利益 |
特別損失 |
税引前当期純利益(経常利益+特別利益−特別損失) |
法人税等 |
法人税等調整額 |
当期純利益(税引前当期純利益−法人税等+法人税等調整額) |
知的財産権について
知的財産権についてもストラテジ系では毎回のように出題される分野です。代表的なものは著作権ですが、その他にも特許権や意匠権などがあります。
知的財産権の種類
- 知的財産権は大きくは著作権と産業財産権(工業所有権)の2つ
- 著作権は、著作者人格権と著作財産権に分かれる
- 著作者人格権は譲渡不可
- プログラムはソースコードのみが著作権の保護対象となる
- 産業財産権は特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つ
- 特許権とは、発明に対する権利
- 実用新案権とは、考案(製品の形や構造)に対する権利
- 意匠権とは、デザインに対する権利
- 商標権とは、商品名やトレードマークにに対する権利
業務分析手法
実際の業務では会社ごとに業務分析手法は異なりますし、呼び方も独自のものを使うことがあります。しかし、試験上は決められている手法があります。ITパスポート試験では、業務モデリング手法と言えば、DFDとE-R図ですので、その特徴をまとめました。
DFD(データフローダイアグラム)
- Data Flow Diagram の略
- データの流れに着目して業務プロセスをモデル化
- 用いる図の意味は下記の通り
- 円…プロセス(処理)
- 四角…データの発生源、格納先
- 矢印…データの流れ
- 平行線…データを保存したファイル
E-R図(実体関連モデル)
- Entity(実体)Relationship(関係)の略
- ひと、組織、データを実体とし、実体同士の関係をモデル化
- 用いる図の意味は下記の通り
- 四角…実体(ひと、組織、データなど)
- 矢印、ひし形…関係(1対1、1対多など)