ITパスポート試験に出る損益分岐点
損益分岐点に関する問題は、ITパスポート試験ではストラテジ系の問題として出題されます。基本的には損益分岐点がとは何かとその算出方法さえ分かっていれば正解できます。プログラマなど技術者にとっては、普段の業務では馴染みがない用語かもしれませんが、難しくはありません。むしろ、紛らわしい選択肢ないだけ得点しやすい問題とも言えます。
こんな問題が出題されています。
次の損益計算資料を元に算出した損益分岐点の売上高は何百万円か。
売上高 | 4,000 |
---|---|
変動製造費 | 1,400 |
変動販売費 | 600 |
固定費 | 800 |
(単位百万円)
(ア)1,200 (イ)1,231 (ウ)1,600 (エ)2,154
(過去問 24年度春季試験 ストラテジ系第5問)
答えは下にあります。
試験対策として覚えておくべきポイント
損益分岐点とは…
- 損益分岐点とは利益がゼロになる売上高のこと
- 売上から費用を引いたものが利益(利益=売上−費用)
- 売上が損益分岐点より低い(少ない)というのは、売上よりも費用が多い状態(赤字)
- 損益分岐点の計算は、費用を固定費と変動費に分けて行う
- 固定費とは家賃など売上に関係なく発生する費用
- 変動費とは商品の材料費など売上に応じて変わる費用
損益分岐点の考え方
- 商品1個の値段が10,000円で、材料費が3,000円とすると、7,000円が粗利益となる。
- 商品を売るにはお店の家賃なども必要なため粗利益がすべて利益とはならない
- 家賃が月140,000円だとすると、商品が20個売れると粗利から家賃を支払える(7,000円×20個)
- ほかに費用がないとすると、これが利益がゼロとなる売上高(⇒損益分岐点)
- 商品が20個売れた時の売上高だから200,000円(10,000円×20個)となる。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点 = 固定費 ÷ ( 1 − 変動費率 )
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
このページにある過去問(上記)を解いてみると…
変動費率 = 変動費(1,400+600)÷売上高(4,000)=0.5
損益分岐点 = 固定費(800)÷( 1 − 変動費率(0.5))=1600
⇒ 正解 (ウ)1,600