ストラテジ系試験範囲「システム戦略」の内容
「経営戦略を実現するためにいかにシステムを活用するのか」というのが、このシステム戦略でのテーマです。このため試験問題としては、ITサービス(ASP、SaaS、SFA、SCM、CRM、ERPなど)に関する知識や、システム定義、要件定義の手法が問われます。
また、ITを活用して業務改善や業務効率化を図る方法を一通り知っておく必要があります。
特にDFDとE-R図については、何度も出題されているので、しっかり覚えておきましょう。
「この分野での必須知識」に主なものをまとめましたので参考にしてみてください。
ITパスポート試験での「システム戦略」の位置づけ
「システム戦略」はストラテジ系の3つの分類の中の一つにあたります。
系統 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
ストラテジ系 | 企業と法務 | 企業活動 |
法務 | ||
経営戦略 | 経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | ||
ビジネスインダストリ | ||
システム戦略 | システム戦略 | |
システム企画 | ||
マネジメント系 | 開発技術 | システム開発技術 |
ソフトウェア開発管理技術 | ||
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント | |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | |
システム監査 | ||
テクノロジ系 | 基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | ||
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 | |
システム構成要素 | ||
ソフトウェア | ||
ハードウェア | ||
技術要素 | ヒューマンインターフェース | |
マルチメディア | ||
データべ^ス | ||
ネットワーク | ||
セキュリティ |
この分野での必須知識
「システム戦略」で覚えておかなければならない知識は下記となります。
DFD
- 業務プロセスをモデル化する手法
- Data Flow Diagram(データフローダイアグラム)の略
- データの流れに着目して業務プロセスをモデリングする
- 四角形でデータの源泉、円でプロセス・処理、二重線でファイルを表す
- データの流れは矢印で表す
E-R図
- データモデルの手法
- Entity(実体)、Relationship(関連)の略
- 人・モノや概念(所属など)を実体として、その関係を表すもの
- 四角形で実体、ひし形(または矢印)で関係を表す
- 関係には1対1(例:顧客対顧客ID)、1対多(例:顧客対購入履歴)、多対多(例:顧客対商品名)がある
※DFDもE-R図もITパスポート試験では図は出ないことが多いので、文章でどのように表現されるかを覚えておく必要があります。(例題:選択肢の中でDFDについて説明したものを選べ)
試験によく出る用語一覧
「システム戦略」分野でITパスポート試験によく出る用語には下記のようなものがあります。
BPR、BPM、DFD、E-R図、ASP、SaaS、SOA、BPO、RFI、RFP、SFA、SCM、CRM、ERP、SNS、PDCAサイクル、業務プロセスモデル、データモデル、ハウジング、ホスティング、ワークフロー、クラウドコンピューティング
紛らわしい用語
「システム戦略」分野での紛らわしい用語には下記のものがあります。
BPR | 業務プロセスを再構築すること。Business Process Reengineeringの略。 |
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BPM | BPRをもとに継続的に業務プロセスを改善すること。Business Process Managementの略。 |
※BPMでの継続的な改善にはPDCAサイクルなどが用いられる。
RFI(情報提供依頼書) | 最新の技術動向などの情報の提供を依頼するもの。Request For Informationの略。 |
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RFP(提案依頼書) | システム開発の提案を依頼するもの。Request For Proposalの略。 |
※どちらも依頼元企業(ユーザ企業)が開発ベンダに対して行うもの。RFI→RFPの順で行われるものだが、RFIは行わないこともある。